小学生バレーボールのコートサイズとネットの高さ|年代別の違いをわかりやすく解説

「小学生のバレーボールチームに入ったけど、コートの広さってどれくらい?」「ポジションとか、大人とルールが違うみたいだけど…」

お子さんがバレーボールを始めると、保護者の方や指導者の皆様は、まず正確なルールを把握したいと考えますよね。小学生のバレーボールには、子どもたちが安全に、そして積極的にプレーできるよう、国際ルールとは異なるいくつかの独自の競技規則が定められています。

この記事では、**小学生バレーボールの公式競技規則**に基づき、コートの広さ、ネットの高さ、そして特に知っておきたい競技の特性(フリーポジション制など)について、誰にでも分かりやすく徹底解説します!

小学生バレーボールのコートとネット高さの公式規則

まず、施設の基本となるコートとネットの規定から確認しましょう。小学生年代に合わせた専用のサイズが定められています。

ネットの高さは男女共通の2.00m

小学生のバレーボールにおけるネットの高さは、男女共通で2.00mと定められています。

小学生バレーボールのネットの高さ

高さ: 2.00m (男女共通)

これは、小学生の成長段階にある身体への負担を考慮しつつ、スパイクやブロックといったバレーボールの魅力を存分に味わえるように設定された高さです。中学生になると男女で高さが変わりますが、小学生年代では体力差が少ないため共通の高さとなっています。

コートの広さは16m×8m!アタックラインは2.7m

コートのサイズは、一般的な9人制や中学生以上の6人制とは異なり、小学生専用のサイズが規定されています。

  • コート全体の広さ: 縦16m × 横8m
  • 各チームのコート: 縦8m × 横8m の正方形
  • アタックライン: センターラインの中心から2.7mの位置

コート全体が少しコンパクトに設計されており、選手一人ひとりがボールに触れる機会が増えるよう工夫されています。アタックラインの位置も、このコートサイズに合わせて調整されています。

使用するボールの公式規格について

使用するボールは、小学生専用に開発された「軽量4号球」です。競技規則では、その規格が明確に定められています。

小学生用ボールの公式規格

  • 種類: 軽量4号球
  • 円周: 62~64cm
  • 重量: 200~220g

中学生以上が使用する5号球(重量260~280g)と比較して大幅に軽く、腕や肩への負担が少ないのが特徴です。このボールを使うことで、小学生でも正しいフォームでボールを遠くへ飛ばすことができます。

小学生バレーボールの公式サイズと選び方ガイド|軽量4号球の全て

小学生バレーボール独自の競技特性を理解しよう

小学生のバレーボールには、プレーの楽しさを最大限に引き出すため、国際ルールにはない、非常にユニークで合理的な特性が盛り込まれています。

競技の最大の特徴!自由なポジションとローテーション不要のルール

最も特徴的なのは、**選手の位置に関する制限がほとんどない**ことです。

フリーポジション制

「前衛(フロント)」「後衛(バック)」といったポジションの区別がありません。コート内にいる6人の選手は、全員がどの場所からでも自由にアタックやブロックを行うことができます。これにより、選手の個性を最大限に活かした、自由な発想のプレーが可能になります。

ローテーションは不要

サービス権が相手チームに移動しても、選手がコート内で位置を移動する**「ローテーション」を行う必要がありません。**ただし、サーブを打つ順番だけは、セット開始時に決めた通りに回す必要があります。これにより、選手は複雑なローテーションを覚える負担から解放され、よりプレーそのものに集中できます。

補足:リベロ制度は適用されません。全員が攻撃にも守備にも参加するのが基本となります。

アタックラインの重要な役割とは?

「バックアタックの制限がないなら、アタックラインはなぜ必要なの?」と疑問に思うかもしれません。小学生のルールにおいて、アタックラインには2つの重要な役割があります。

  1. 選手交代ゾーンを区画するため
    選手交代を行うエリアを示すための目印としてアタックラインは必要です。
  2. 相手サーブへのアタックを制限するため
    これが非常に重要な役割です。相手チームが打ったサービスボールが、ネットの上端より完全に高い位置で、フロントゾーン(アタックラインより前方のエリア)にある場合、どの選手もそのボールを直接アタックしてはいけません。

サーブのダイレクトアタックは禁止!

相手のサーブを、ネット際でジャンプしてスパイクで返球するプレーは反則になります。これは、サーブで崩された後のラリーの応酬を促し、バレーボールの楽しさをより多く経験させるための重要なルールです。

つまり、アタックラインは「バックアタックの制限」のためではなく、「プレーの公平性とラリーの継続」のために存在しているのです。

サービスやボール接触(ドリブル)に関する特別ルール

他にも、小学生がプレーしやすいように、いくつかの特別ルールが設けられています。

ボールの連続接触(ダブルコンタクト)

パスやレシーブの際に、ボールが身体の複数箇所(例:両腕→胸)に連続して当たってしまっても、**それが一連の1つの動作の中であれば反則(ダブルコンタクトやドリブル)にはなりません。** これにより、選手はボールを怖がらずに、積極的にレシーブに行くことができます。

中学生以上とのコート・ネットの高さ比較

参考までに、中学生以上の規定と比較してみましょう。小学生年代がいかに特別に考慮されているかが分かります。

年代 コートサイズ ネット高さ(男子) ネット高さ(女子)
小学生 16m × 8m 2.00m
中学生 18m × 9m 2.30m 2.15m
高校生 18m × 9m 2.40m 2.20m
ママさんバレー(9人制) 18m × 9m 2.15m
一般・大学・プロ(6人制) 18m × 9m 2.43m 2.24m

中学に上がると、コートが広くなり、ネットも一気に高くなります。小学生のうちに、この専用ルールの中でボールに慣れ親しみ、バレーボールの基礎技術と楽しさを身につけることが非常に重要です。

【総括】小学生バレーボールのコート・ネット高さを理解しよう

最後に、この記事で解説した小学生バレーボールのコートとネット高さ、そして競技の特性をまとめます。

  • ネットの高さ: 2.00mと定められています。
  • コートのサイズ: 縦16m×横8mの専用サイズ。アタックラインは中央から2.7m
  • 競技の特性: 最大の特徴は**「フリーポジション」と「ローテーションなし」**。選手は自由に動き回り、個性を活かしたプレーが可能です。
  • 重要ルール: アタックラインは、相手サーブのダイレクトアタックを禁止するために重要な役割を果たします。

これらのルールは、子どもたちがバレーボールの複雑さに戸惑うことなく、純粋にボールを追いかける楽しさ、仲間と繋ぐ喜びを感じられるようにデザインされています。指導者や保護者の皆様は、ぜひこのルールの意図を理解し、子どもたちの成長をサポートしてあげてください。

なお、大会や地域によっては独自のローカルルールが適用される場合もありますので、最終的には所属する連盟の公式情報を確認することが最も確実です。詳細は日本バレーボール協会の公式サイトなどでご確認ください。