小学生バレーボールの公式サイズと選び方ガイド|軽量4号球の全て

【基本知識】小学生バレーボールの公式サイズは「軽量4号球」
「子供がバレーボールを始めたけど、どのボールを買えばいいの?」多くの方が最初に抱く疑問ではないでしょうか。ボールには様々な種類があり、年齢や用途によって使うべきボールは異なります。小学生のバレーボール選びで最も重要なのが、公式サイズである「軽量4号球」を正しく理解することです。この章では、小学生バレーボールの基本となるボールのサイズや規格について、詳しく解説していきます。
小学生バレーボールは何号球が正解?
結論から言うと、小学生の公式試合で使用されるバレーボールは「軽量4号球(けいりょう よんごうきゅう)」です。お店に行くと3号球や5号球など様々なサイズのボールが並んでいますが、小学生のバレーボールチームで練習したり、試合に出たりする場合には、この軽量4号球を選ぶのが絶対的なルールです。
この「4号」という数字はボールのサイズ(円周)を表し、「軽量」という言葉はボールの重量が通常よりも軽く作られていることを示しています。子供たちの身体の成長に合わせて、最適な規格が定められているのです。
「検定球」のマークを確認しよう
ボールを選ぶ際に、もう一つ重要なのが「検定球」のマークです。これは、日本バレーボール協会(JVA)が公式試合での使用を認めたボールの証です。ボールの表面に「検定球」という文字や公式マークが印字されています。チーム練習や試合で使うボールを購入する際は、必ずこのマークがあることを確認してください。自主練習用に購入する場合でも、試合で使うボールと同じ感覚で練習できるため、検定球を選ぶことを強くおすすめします。
軽量4号球の具体的なサイズ|重さと円周
では、軽量4号球の具体的な規格はどのようになっているのでしょうか。公式ルールで定められているサイズと重さは以下の通りです。
小学生バレーボール(軽量4号球)の公式規格
- 円周: 62~64cm
- 重量: 200~220g
- 直径: 約20cm
この数値は、子供たちがボールをコントロールしやすく、かつ安全にプレーできるように設定されています。特に重量が200~220gと軽いのが特徴で、まだ筋力が発達していない小学生でも、腕への負担を少なくしながらレシーブやサーブの練習に取り組むことができます。
中学生や高校生が使うボールとの違いは?【ママさんバレーも解説】
小学生が使う「軽量4号球」は、他の年代で使われるボールとどう違うのでしょうか。特に注意が必要なのが、中学生やママさんバレーで使われる「4号球」です。同じ「4号」という名前ですが、重さが異なります。
各年代で使用されるボールの規格を比較してみましょう。
ボールの種類 | 主な使用者 | 円周 | 重量 |
---|---|---|---|
軽量4号球 | 小学生 | 62~64cm | 200~220g |
4号球 | 中学生、ママさんバレー | 62~64cm | 240~260g |
5号球 | 高校生、大学生、一般 | 65~67cm | 260~280g |
このように、小学生用の「軽量4号球」と中学生・ママさん用の「4号球」は、円周(大きさ)は同じですが、重さが約40gも違います。この40gの差が、ボールの飛び方やレシーブの衝撃に大きく影響します。購入する際は、必ず「軽量」と表記されているか、重量が200~220gの範囲にあるかを確認してください。
また、高校生以上が使う5号球は、大きさと重さの両方で小学生のボールとは全く異なる規格となっています。小学生が間違って重いボールで練習すると、フォームが崩れたり、指や腕を痛めたりする原因になるため、必ず年齢に合ったボールを選ぶことが非常に大切です。
なぜ小学生は軽量4号球を使うのか?その理由を解説
小学生が特別に軽量化されたボールを使うのには、明確な理由があります。それは、発育発達段階にある子供たちの身体を守り、バレーボールというスポーツの楽しさを最大限に引き出すためです。
- 怪我の予防:
成長期の子供たちの骨や関節はまだ柔らかく、過度な負担は怪我につながりやすいです。中学生が使う4号球と比べても約40g軽いボールを使うことで、ボールを腕でレシーブしたり、指でトスしたりする際の衝撃を和らげ、突き指や肘・肩の故障リスクを低減します。 - 技術の習得しやすさ:
軽いボールは、非力な小学生でも遠くまで飛ばしたり、高く上げたりすることが比較的容易です。これにより、「サーブが相手コートまで届いた」「狙ったところにトスが上がった」といった成功体験を積みやすくなります。この成功体験がモチベーションとなり、子供たちの技術向上と「もっと上手くなりたい」という意欲を引き出します。 - ラリーが続きやすくなる:
ボールが軽くて扱いやすいため、小学生でもボールを繋ぎやすくなり、ラリーが続きやすくなります。ラリーが続くことはバレーボールの最大の醍醐味であり、チームプレーの楽しさを実感する上で非常に重要です。
このように、小学生バレーボールの公式サイズである軽量4号球は、ただ小さい・軽いというだけでなく、子供たちの成長と安全、そして競技の楽しさを支えるために考え抜かれた規格なのです。
後悔しない!小学生バレーボールの選び方と公式サイズの重要性
ボールの規格を理解したところで、次はいよいよ実践的なボールの選び方です。市場には様々な種類のボールがあり、特に主要メーカーである「ミカサ」と「モルテン」のどちらを選ぶべきか、迷う方も多いでしょう。ここでは、ボール選びで後悔しないための具体的なポイントや、購入後に必要となるメンテナンス方法まで、小学生バレーボールの公式サイズを踏まえながら詳しく解説します。
ミカサとモルテン、どっちがいい?主要メーカーを徹底比較
小学生のバレーボール(軽量4号球)の検定球を製造している主要メーカーは、「ミカサ(MIKASA)」と「モルテン(molten)」の2社です。どちらも高品質なボールを製造しており、最終的には好みで選んでも問題ありませんが、それぞれの特徴を知っておくと選びやすくなります。
ミカサ(MIKASA):大会公式球としての実績
ミカサは、国際バレーボール連盟(FIVB)の公式球サプライヤーであり、国内外の多くの主要な大会で公式試合球として採用されています。特に、全国小学生バレーボール大会ではミカサのボールが公式試合球として使われているため、多くのチームがミカサのボールを練習で使用しています。
特徴:
- 表面のディンプル(凹加工)により、ボールのコントロール性が高い。
- 青と黄色の鮮やかなデザインは視認性が高く、ボールの回転が分かりやすい。
- 少し硬めの感触で、しっかりとした打球感が得られるという声が多い。
もし、お子さんの所属チームが全国大会を目指している場合や、多くのチームが採用しているボールで練習させたい場合は、ミカサを選ぶのが無難な選択と言えるでしょう。
公式サイト:株式会社ミカサ 公式サイト
モルテン(molten):独自のフリスタテック技術
モルテンもまた、日本のVリーグなどで公式試合球として採用されている大手メーカーです。モルテンのボールの最大の特徴は、「フリスタテック(FLISTATEC)」という独自の技術です。
特徴:
- ボール表面の六角形の突起が、ボールの飛行軌道を安定させる。
- 白・緑・赤のトリコロールカラーが特徴的。
- ミカサに比べて、やや柔らかく、手に馴染みやすいという声がある。
ボールの軌道が安定するため、サーブやスパイクのコントロールを重視する選手に好まれる傾向があります。所属チームでモルテンのボールを主に使用している場合は、こちらを選ぶと良いでしょう。
公式サイト:株式会社モルテン 公式サイト
結論:チームで使っているボールに合わせるのがベスト
どちらのメーカーも非常に優れていますが、最もおすすめの選び方は「お子さんが所属しているチームで主に使用しているメーカーのボールを選ぶこと」です。普段の練習から試合と同じボールに触れておくことで、本番でも違和感なくプレーに集中できます。もし、これからチームを探す、または特に指定がない場合は、全国大会で使われているミカサのボールを選ぶと後悔が少ないでしょう。
公式試合で使われるボールの種類と特徴
ミカサとモルテンが販売している小学生用の軽量4号検定球は、それぞれ以下のモデルが主流です。
- ミカサ:V400W-L
全国小学生バレーボール大会の公式試合球です。青と黄色のパネルデザインで、ボールの回転が視認しやすいのが特徴。人工皮革製で、優れたコントロール性能を持っています。 - モルテン:フリスタテック V4M5000-L
こちらもJVAの検定球で、多くの試合で使われています。独自のフリスタテック技術により、安定した飛行軌道を実現します。
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これらの検定球は、チームでの購入はもちろん、個人での練習用としても最適なボールです。
価格は?自主練用ボールの選び方と注意点
公式検定球は、1球あたり4,000円~6,000円程度が相場です。決して安い買い物ではありませんが、耐久性も高く、長く使えることを考えればコストパフォーマンスは悪くありません。
一方で、「自宅での自主練習用にもう少し安いボールが欲しい」という場合には、「練習球」や「レプリカモデル」という選択肢もあります。
練習球・レプリカモデルのメリット・デメリット
- メリット: 検定球に比べて価格が安い(2,000円~4,000円程度)。デザインが豊富な場合もある。
- デメリット: 検定球とは素材や構造が異なる場合があり、ボールの感触や弾み方が違うことがある。公式試合では使用できない。
注意点:自主練習用であっても、できるだけ検定球を使うのが上達への近道です。しかし、予算の都合や、まずはボールに慣れるという目的であれば、練習球も有効な選択肢です。その場合でも、必ず「軽量4号球」のサイズと重さであることは確認してください。中学生用の4号球などを間違って購入しないように注意が必要です。
ボール購入時に一緒に揃えたい便利グッズ
バレーボールを購入したら、その性能を維持し、長く使うために以下のグッズも一緒に揃えることを強く推奨します。
- ボール用空気入れ(ハンドポンプ):
ボールの空気は自然に抜けていくため、定期的な空気の補充が不可欠です。ボール用の針が付いたハンドポンプを用意しましょう。 - 空気圧計(ゲージ):
ボールの性能を最大限に引き出すには、適正な空気圧を保つことが非常に重要です。後述しますが、空気圧は感覚ではなく、必ず空気圧計を使って正確に測る習慣をつけましょう。ポンプと一体型になっているものも便利です。 - ボールバッグ・ボールネット:
ボールの持ち運びや保管に便利です。ボールを裸で持ち運ぶと、表面を傷つけたり汚したりする原因になります。
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これらのアイテムは、スポーツ用品店やオンラインストアで手軽に購入できます。
【重要】正しい空気圧の重要性と管理方法
見落とされがちですが、ボールの空気圧はプレーの質に直結する非常に重要な要素です。軽量4号球の適正空気圧は、ボールのバルブ(空気を入れる穴)の周辺に記載されており、0.300 kgf/cm²(キログラムフォース毎平方センチメートル)が基準となります。(※4号球、5号球も同じです)
空気圧が適正でないとどうなる?
- 空気が多すぎる(パンパンの状態):
- ボールが硬くなり、レシーブ時に腕が痛くなりやすい。
- ボールが弾みすぎてしまい、コントロールが難しくなる。
- ボールの縫い目に負担がかかり、寿命が縮まる原因になる。
- 空気が少なすぎる(ブヨブヨの状態):
- ボールが飛ばず、サーブやスパイクの威力が落ちる。
- ボールが変形しやすくなり、不規則な軌道を描くことがある。
- 正しいフォームでの打球感覚が身につかない。
練習の前には必ず空気圧計で空気圧をチェックし、適正な状態に調整する習慣をつけましょう。このひと手間が、上達を早め、怪我を防ぐことに繋がります。
ボールの寿命と長持ちさせるメンテナンス方法
人工皮革のボールは比較的丈夫ですが、使い方や保管方法によって寿命は大きく変わります。少しでも長く、良い状態で使うためのポイントを紹介します。
- 使用後は汚れを拭き取る:
練習が終わったら、固く絞った濡れタオルなどでボール表面の汗やホコリを優しく拭き取り、乾いた布で水分を拭き取ってください。 - 高温多湿・直射日光を避ける:
ボールを車のトランクに置きっぱなしにしたり、直射日光が当たる場所に長時間放置したりするのは絶対にやめましょう。熱によってボールが変形したり、表面の素材が劣化したりする原因となります。風通しの良い、涼しい場所で保管してください。 - ボールの上に座らない:
子供がやりがちですが、ボールの上に座ると変形の原因になります。ボールは競技用具として大切に扱うことを教えましょう。 - 空気は少し抜いて保管:
長期間使用しない場合は、ボールの内圧を少し下げて(空気を少し抜いて)保管すると、ボールへの負担が減り、長持ちします。
適切なメンテナンスを行うことで、ボールへの愛着も湧き、プレーをより一層楽しむことができるでしょう。
まとめ:小学生バレーボールの公式サイズを理解して最適なボールを選ぼう
今回は、小学生バレーボールの公式サイズである「軽量4号球」について、その規格から選び方、メンテナンス方法まで詳しく解説しました。
最後に、この記事の重要なポイントをもう一度おさらいします。
- 小学生の公式球は「軽量4号球」で、円周62~64cm、重さ200~220gです。
- 中学生・ママさんバレー用の「4号球」(重さ240~260g)や、高校生以上用の「5号球」とは規格が異なるため、購入時に注意が必要です。
- ボール選びは、JVAの「検定球」マークがあるものを選びましょう。
- メーカーは「ミカサ」か「モルテン」が主流。チームで使っているボールに合わせるのが最も確実な選び方です。
- 購入後は空気圧の管理が非常に重要。空気入れと空気圧計を使い、常に適正な状態を保ちましょう。
正しいボールを選ぶことは、お子さんがバレーボールを安全に、そして楽しく続け、上達していくための第一歩です。この記事が、あなたのボール選びの助けとなれば幸いです。最適なボールを手に入れて、素晴らしいバレーボールライフをスタートさせてください。